外壁診断士

1.外壁診断士とは? 建築士などとどう違うのか。

建築士(けんちくし)とは、建築士法(昭和25年5月24日法律第202号)に拠って定められた免許上の名称です。

日本の国家資格の一つで、建物の設計や工事の監理等を行う技術者であると定義されています。

建物の設計を行うには、この建築士の資格者が必要です(ごく小規模なものを除いて)。

建築士の仕事は、以下の3つに分類できます。
1.意匠(建物のレイアウトやデザイン)
2.構造(構造的な部分)
3.設備(電気や空調などの設備)

もともとの建築士の名称は、欧米プロフェッショナルを基準にして、この職能を持つ者を建築士として制定する職能確立運動のなかにあったもので、現在に日本建築家協会が規定する建築家のことだったとのことです。

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日本建築家協会

https://www.jia.or.jp/

民間団体。「登録建築家」を登録認定しています。「登録建築家」は、資格名称はもちろん、職能としての名称の法的規定もないため、建築士資格の有資格者である必要はありません。

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(上記の記事はWikipediaからの引用・編集をしました。)

外壁診断士は「登録建築家」同様に、職能としての名称の法的な規定もないため、建築士資格の有資格者である必要はありません。建築士の仕事に分類されない、一般住宅の外壁の劣化診断や安全評価などの公正なアドバイスや提案ができる技術者の呼称です。


2.外壁にはどんな種類があり、それぞれの特徴は

a.サイディング
サイディングは
窯業系(セメント系材料を繊維素材等で強化しプレス成形)
金属系(成形スチール等に断熱材を裏打ち)
木質系(木片セメント・天然木・合板等に塗装)
の3つに分類されます。安価で施工も比較的簡単だと思います。
プリント技術の進歩もありレンガやタイル、石や板などのプリントがまるで本物と間違えるほどの商品がでています。亀裂の心配は無いんですが、色あせや汚れが目立つようになった場合、再塗装が必要でしょう。
b.モルタル塗壁
モルタルを下地にして樹脂系素材や漆喰、珪藻土を塗装。
健康住宅ブームや環境に優しい漆喰や珪藻土など、自然素材を使ったものも増加中です。経年変化や地震などで亀裂が出ることがあり、5~10年程度で、メンテナンスが必要になると思います。
c.タイル
土や石を粉砕し成型し高温で焼き固め、うわぐすりを掛けて焼いたもの。焼き方や吸水率の違いなどで、磁器質、せっ器質、陶器質に分けられます。耐久性、耐火性に優れ、汚れにくく、色落ちや劣化の心配はほとんどないのでメンテナンス不要です。ただ他の素材に比べると費用が高めになります。
※追記

1.タイルは下地のコンクリートにひび割れが起きるとタイル自体もひび割れる性質があり、定期的な検査が必要です。

2.タイル自体はメンテナンス不要でも、タイル目地部分の劣化により、そこから雨水が浸入し、冬季の冷害によりタイルが破損し落下する実例が最近聞かれます。

※追記終
d.レンガ
診断士協会のパンフレット表紙のように欧米邸宅の仕上がりになります。アンティークレンガ風などのバリエーションもありデザインも豊富になっています。ただ他の素材に比べて高額です。
e.セラミック
うわぐすりの特性を生かして、焼き物と同じようなガラス質面の建材。親水性があるので、雨水などで簡単に汚れが流れ落ちます。耐熱、耐水、耐火性にも優れています。メンテナンス不要です。かなり高額ですが、施工後のメンテナンスコスト次第では、かえって安上がりになる場合もあります。
f.ALCパネル(軽量気泡コンクリート)
主原料は珪石、セメント、生石灰、発泡剤のアルミ粉末。オートクレーブ(高温高圧蒸気釜)で養生した強度と耐久性を備えた製品。装飾性を重視して凹凸を用いたデザインパネルやタイルを張った製品があります。

3.外壁の種類による耐火性・耐熱性の違いは?

a.サイディング
1.金属系サイディング : 耐久性が高く、軽量である為、既存壁の改修に適しています。風害に強くて安い。その反面、傷がつきやすい、錆びやすい、熱を伝えやすい、熱で変形する、遮音性が低い、などが欠点。
2.窯業系サイディング : 硬質で耐水・耐火・耐久性に優れています。中には遮音性や断熱性にも優れた高級品もあります。※サイディングの継目やサッシ周りには、シーリング材による防水を施しますが、このシーリング材が劣化などで破損すると吸水の原因となります。一旦吸水が始まってしまうと、局部的に穴が開いたり、ひび割れおよび素材が変形してしまうことがあります。
b.モルタル塗壁
耐久性に優れ、防火性能も高い素材です。反面、経年変化や地震などで亀裂(クラック)が出ることがあります。
c.タイル
耐火性や耐熱性、断熱効果耐久性、耐火性に優れ、汚れにくく、色落ちや劣化の心配はほとんどないのでメンテナンス不要です。ジョイント部分はサイディング同様、シーリング材で防水されているので劣化をすると吸水の原因となりますコストが高いです。
※追記

1.タイルは下地のコンクリートにひび割れが起きるとタイル自体もひび割れる性質があり、定期的な検査が必要です。

2.タイル自体はメンテナンス不要でも、タイル目地部分の劣化により、そこから雨水が浸入し、冬季の冷害によりタイルが破損し落下する実例が最近聞かれます。

※追記終
d.レンガ
耐火性が高い素材です。デザインも豊富になっています。ただ他の素材に比べて高額です。
e.セラミック
湿度をコントロールでき、結露やカビを未然に防ぐことができます。耐熱性・耐水性・防火性に非常に優秀な素材です。メンテナンスがほとんど不要。反面、コストが非常に高い。
f.ALCパネル(軽量気泡コンクリート)
遮音性・保温性・耐火性に非常に優秀で耐久性は50年ほど保たれると言われています。反面、衝撃に弱く、耐水性が乏しく、ジョイント部分はサイディング同様、シーリング材で防水されているので劣化をすると吸水の原因となります。

4.悪質業者にだまされない 気をつけるポイント。

普通のことを普通にやってくれる業者はどのような提案をしてくれるのでしょうか?

それぞれの外壁による補修方法はどんなものがあるのか、またそれぞれの方法での対処可能な範囲をご説明しています。※例えばコーキングならこの程度のクラックの大きさや数でこの程度の補修ができるとか、再塗装、部分塗装、全面塗装、サイディングの部分取り替え、全取り替え、モルタルからサイディングなどへの変更、その際のイニシャルコストとメンテナンスコストのこと等をご説明しています。「その補修方法を選ぶと今は一番安くできるんですが、10年後、20年後まで想定したメンテナンスコストを考えると、実は高くつく選択なんです。」というように。これをご納得いただけるようご案内しています。

材料別外壁塗装の耐用年数目安
1.フッ素  15年~20年以上
2.シリコン 10年~15年
3.ウレタン 8年~10年
4.アクリル 6年

例えば全面塗装が必要だと診断される外壁の場合に、アクリル塗装をしてもすぐに再塗装が必要になりますから、ご予算にあわせたメンテナンス計画をご提案します。

このようなお客様との対話のなかで「モルタルからサイディングなどへの変更」などの選択肢が当然出てくるものと思います。

また塗装工事の際の下地処理が正しく施工されているか否かで耐用年数が3年~5年程は違ってくるものと判断しています。

気をつける5つのポイント

1.現状の診断結果を写真などで説明してくれること
外壁の劣化診断や安全評価などの公正なアドバイスや提案を写真などで状況を確認しながら説明しています。
2.補修方法を明確に提案してくれること
補修方法や使用素材はお客様宅の状況によって変わります。イニシャルコストとメンテナンスコストのことを想定して適切な方法をご提案しています。
3.見積りが「一式」になっていないこと
補修方法や使用素材が明確になれば、より詳細な見積りになります。一式と言った単位は通常使っていません。住宅リフォーム・紛争処理支援センター様のサイトで、見積りを依頼する際、また見積書の内容について判断する際に参考になるモデル見積書式を作成できます。リフォームの内容を選択すると、選択した工事内容について一般的に必要と思われる項目が入ったモデル見積書式を作成できます。
4.施工後の保証があること
施工後に保証内容などを明記した保証書を発行しています。
5.メンテナンス(定期無料点検)をしてくれること
3ヶ月または6ヶ月ほどの後に無料定期点検を実施しています。定期的なメンテナンスの時期が来たらお知らせしています。

このような業者なら安心して発注できると思います。ただ全部お任せするのではなく、一旦工事が開始したら事前に決定した工事工程の完了毎に工程写真を提出してもらってご自分で確認することが重要です。